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夜の中の黒

 
リインとはやて







SS:夜の中の黒



黒い翼が夜空に羽ばたく。

漆黒。

例えるなら、きっとその色だ。

夜よりも黒い翼は、闇の中でもその黒さがわかる。

・・・なんて言って、一体どれほどの人に共感をもらえるのか。

リインフォース鵺は、主の翼を見つめて、つい、そんな事を思う。


「スレイプニール」


主の黒い翼は、そう呼ばれている。

ふよふよと飛んでいるから、翼なんて必要ないと言われたが、やっぱり主と一緒がよくて、練習したことがあった。

でも、どうやっても制御がうまくいかなかった。

ユニゾンしている時に、はやての操作を盗み見したりもしているが、自分と操作は全く一緒。

なのに、使えない。

呼び出そうとしても形成できない。

できても、一切の制御を受け付けない。

はやてだけが・・・いや、先代リインフォースと、はやてだけが使うことができる黒い翼。

魔法に意思なんてない。

それが、一般常識。

それが、当たり前。

なのに、意思があるのではと思ってしまうのは、現代技術の粋をもって生み出されたリインフォース鵺としては、如何なものか。

そう思っても、やっぱり疑う自分がいた。

仕事に支障が出ない様に、悩んでみたけど、気になって仕方がなかった。

どうしても我慢できなくて、はやてに相談すると、


「ええやん」


と、主は一笑した。


「もしかしたら、ものごっつ恥ずかしがり屋さんなのかもしれへんよ」

それはどうだろう。

首を傾げて、はやての意見に納得いかない表情をすると、はやてはまた笑った。

「話せるんやったら、話してみたいけど、話したくないならそれでええやん」

そっとリインフォース鵺の頭を撫でる。


「大切なことには、なんも変わらへん」


仰ぎ見た主の顔は穏やかで、ひだまりのようだ。

撫でてもらう手があったかくて、嬉しくなってくる。

散々悩んだのに、はやての一言で全て解決してしまうところ、相当現金な性格だと思うが、こればかりは仕方ない。

はやての言葉は、風のように自然に受け入れられて、水のように心に染み込んでくるのだから。

頭を撫でてもらうことなんて、最近あまりなかったから、頭にはやての手が乗ったままで、心の中だけで、はやての後ろに展開されている黒い翼に謝った。

恥ずかしがり屋かどうかは置いておいて、あれこれ探られるのは、いい気分はしないはずだ。

意思があるなら。

「お?いい風が吹いてきたな」

はやての言葉とともに、黒い翼が羽ばたいた。

それが、返事の代わりなのだろうか。   

| 八神家 | 03:21 | comments(0) | trackbacks(0) |

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